« 095.案内標識【福島/瀬上】 | トップページ | 096.案内標識【浮田家】 »

047.案内標識【福島県】/048.案内標識【平/野沢】(再掲)

Dsc_5336_1024

所在 福島県耶麻郡西会津町
標識コード 102〈都府県〉/104〈方面及び距離〉
撮影 令和2/2020年1月
位置 37.659013,1390576779
備考 2004年、2007年に続き、3度目の撮影

Dsc_5263_1024

この白看は圧倒的である。
過去に二度見ているが、もう一度見たいと思っていた。
僕の住んでいる新潟市からは車で約1時間ほど。いつでも行ける距離だ。
しかし、なんとなく先延ばしにしてきた。
だが、白看の淘汰が加速度的に進んでいる今、この白看もいつまであるかわからない。
諸行無常なのである。
All Things Must Passなのである。
悠長なことも言っていられない。
秋に一度来ようかとも思ったが、今年は新潟県内ではクマの出没が異常に多く、怖かったので控えた。

そういうわけで、この度この白看のもとへ再訪したので、白看ブリグでも047.【福島県】101/048.【平/野沢】104 として既出の白看ではあるが、特別編ということで有名なこの鳥井峠の白看を再度取り上げることとする。
この特別な白看の雰囲気を存分に味わっていただければ幸いです。

Dsc_5265_1024

 

以前は旧道の集落を過ぎ、道の舗装が途切れるあたりにクルマを止めて歩いたが、今は立派なトイレ付きの駐車場が現道沿いに整備されているため、車はそこに止めて長靴に履き替え、歩く。

Dsc_5267_1024_20221123093401

今年の異常な暖冬のおかげで、新潟‐福島の県境でさえほとんど雪がない。
おかげでこんな真冬に来ることができる。
平年ならとっくに雪に埋もれていることだろう。

Dsc_5269_1024   

未舗装の旧道を歩くこと約5分、辺りが明るく開けると、あの特徴的なシルエットが見えてくる。
この峠には、近年送電設備らしきものがが整備されたために、以前よりも辺りが開けた印象になっている。
電柱のような人工物もあるため、廃道感はほとんどなく、怖くはない。
さあ、近づいてきた。

Dsc_5278_1024  

ああ、この未舗装の貧弱な旧国道にポツンと威容を放つこの存在感。
華奢な支柱に不釣り合いな重厚な本体。
現在の青く爽やかに輝く案内標識にはない、景観にマッチする独特の配色。
それがさらに錆と褪色によっていっそう味わいを増している。
周囲は冬枯れ。
なんてすばらしい。白看を鑑賞するうえで味わいとなるすべての要素がこの一枚には詰まっている。
まずはカメラを向ける前にじっくりと鑑賞する。

Dsc_5325_1024_20221123093401

とにかく圧倒的。
看板の板面が下向きに傾いているため、白看に見下ろされている気分になる。
そして2枚に見えて実は1枚板という大胆さ。
重量も相当なものだろう。
貴重な〈102〉都府県に、僕が一番好きな〈104〉方向及び距離という最高の組み合わせ。
ずっと眺めていても飽きない。

Dsc_5303_1024_20221123093401

裏はもちろん「ロ」型。この「ロ」の面積も通常にはない大きさだ。
真っ赤に全面さびているが、穴あき等の傷みはなし。

Dsc_5302_1024

よくよく見てみると、「□」の部分と板本体を固定しているボルトは非常にきれいに見える。
錆も全くないようだ。
実はこの白看は定期的にメンテナンスされ、ボルトも新品に交換されているのではないかとも思ったが、吊り下げ部のそれはサビサビ。
どうもそういうことでもなさそうだ。

Dsc_5306_1024

支柱の下方には謎のひっかき傷が。
クマによるものか、草刈等の時につけられたものか。

Dsc_5339_1024_20221123093401

支柱根元の状態も見たところ特に異状はなく、ありがちな根元からポッキリ折れる、ということもしばらくはなさそうだ。
総体的にこの白看、実は非常に状態が良い。
傍の送電設備は整備された際に撤去されてもおかしくなかったはずだが、生き延びた。

Dsc_5321_1024_20221123093401  

この鳥井峠の旧道は往来はほとんどないはずで、この白看が実質的に機能を果たしているとは思いにくい。
そうなると、この白看は何らかの意図のもとに残されていると考えてこともできるのではないか。
この歴史的な白看を将来、ぜひ保存、活用していただきたいものだ。

Dsc_5335_1024  

先達により、付近には「新潟県」と「津川町」の白看の残骸も発見されているようだが、今回は見当たらなかった。
雪や落ち葉に埋もれている可能性もある。
こちらもぜひ自分の目で見てみたい。
その後、また次回の再会を願いつつ、後ろ髪を引かれながらこの場を後にした。

Dsc_5352_1024

この白看も、いつ撤去されても不思議はない。
もし白看好きの方で未見の方がいらしたら、是非実物を見て頂きたい一枚である。

2023/5/23追記

辺りは草刈りなど定期的な整備が施されているにも関わらず、なぜこの白看が撤去を免れているのか。
本文でも「この白看は何らかの意図のもとに残されていると考えることもできるのではないか」と推測したが、それを裏付けることはこれまでできなかった。

先日、朝刊に目を通していると、次のようなタイトルが目に入った。
「往時のしのぶ標識今も」(「新潟日報」令和5年5月23日朝刊) 
新潟日報朝刊には、フリーライターの関田雅弘氏による「越佐 ふるさと峠道」が連載され、毎週新潟県内各地の峠の歴史を紹介している。
この日は鳥井峠を扱ったものであった。白看の写真も大きく取り上げられている。
その中で関田氏は、『標識が今も撤去されずに残されているのには理由があった。地元が「県境のモニュメントとして」残置を要望したからであった』と書いている。
なるほど。そういうことか。これは貴重な取材である。
もちろんこの連載は白看に焦点を当てたものではなく、峠の古今を語るものである。
関田氏の丁寧な取材に基づいた文章は読みごたえがあるので、興味のある方にはぜひ一読をお勧めしたい。

過去に福島県では、093.【新潟/平】が撤去後道の駅に展示されたことがあったが(その後行方不明)、このような白看を保存する動きには期待できる。
他にも最近では、福山自動車時計博物館 が撤去された白看を引き取り、展示されたという。
行政から見ればただの古い役目を終えた道路標識のひとつに過ぎないが、古いものでは設置から70年近く経つ白看である。
そろそろ文化財的価値を与えてもいいのではないだろうか。
廃棄されてしまえば、二度と目にすることができないのである。

|

« 095.案内標識【福島/瀬上】 | トップページ | 096.案内標識【浮田家】 »

02.白看102〈都府県〉」カテゴリの記事

06.白看104〈方面及び距離〉」カテゴリの記事

107.福島県」カテゴリの記事

コメント

いつも探索の参考にさせていただいています。
こちらの記事のコメント欄に投稿する内容ではないかもしれませんが、
山梨県は三富郵便局の近くで真っ二つに割れた白看らしきものと「CAUTION」が一緒に立っているのを発見しました。
ストリートビューで確認したのみであり、自分の目ではまだ確認していないため現存は不明ですがご参考までに。

山梨市, 山梨県
https://maps.app.goo.gl/LvyMEwXv3UFb9hzM7

投稿: 59 | 2020/01/14 01:44

59さん初めまして。
こんな過疎ブログにお越しいただきありがとうございます。
早速SB見てみました。サビサビのCAUTIONと朽ち果てた白看(らしきもの)。かなりそそられるマッチングですね。
僕もぜひ自分の目で見てみたい。
貴重な情報ありがとうございました!
今後もよろしくお願いします。

投稿: brix | 2020/01/18 22:11

初めまして!以前からしばし各地の白看板記事を楽しませていただいておりました。
ここは以前から現地を訪ねたいと思っているところで、雰囲気のある大きな画像に、感想を書かせていただきました。
看板の魅力についての説明が素晴らしいですね。そういう文章力も勉強させていただきたいものです。
これからも楽しみにしています!

投稿: たにつち | 2020/03/27 22:37

たにつちさん初めまして
誰も見ていないと思っているこの白看ブリグをご覧いただき、ありがとうございます!
この場所は無理なく訪問できるので、ぜひおすすめです。
新潟にお越しの際にはぜひご覧ください。
たにつちさんのYTも凄いですね。
僕もドライブは好きなので、どこかですれ違っているかも!?

投稿: brix | 2020/04/04 20:41

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)




« 095.案内標識【福島/瀬上】 | トップページ | 096.案内標識【浮田家】 »